金魚花火。

何年ぶりかで大親友に会いに行く。池袋。
ご飯食べるのに付き合ってくれて、その後スタバでお茶。
話が尽きない。お互いにお互いの興味はそれほど無いであろう話題なのに、続く。
性格も興味も全く違うのに。つながる。さすが大親友。
別れがたくて、16時までのつもりが、17時半くらいまで一緒にいた。
なんか大袈裟な気もするけど、彼女がいてくれれば、あたしには生きる意味がある。そう思える。強くなれる。


歯医者に直行。行ったら、彼一人しかいなくてびっくり。
前の患者さんが帰ったら二人きり。治療の合間におしゃべり。
会計も彼がやっていて、今度時間があったらお菓子を焼いて持っていくって約束。
見送る彼の目が嬉しそうで、こっちまで嬉しくなってしまった。輝いてた。


池袋を通過して、東池袋に降りてみた。小走りになりながら前彼のマンションへ。
どうして自分がそうしてるのかさえわからなかったけれど、エントランスの二重ロックはすり抜けて、彼の部屋がある階で待ってた。ひたすらチャットで祈りつつ。
間違っても、迷っても、あたしはそこにいて、そして彼を待ってた。


帰ってきてって強く願った瞬間、エレベーターが開いて、彼が帰ってきた。
久しぶりで声をかけそびれて、インターフォンを鳴らす。彼は驚いてた。
険悪な空気は流れず、一緒に並んでテレビを眺めたり。シャワー浴びたり。
どうしてもいい感じに、「日常」っていう感じに物事が進んでしまう。


彼は前よりも優しくなってる気がした。
少しの間でいろんなことが変わる。あたしの方がきっと、変わっていくのが速いけれど。


戯れているのが普通で、当たり前で、習慣で。夫婦みたい。
携帯と一緒に水没しようと思ってたって言ったら、彼は涙声になっちゃって。
でも、彼の涙は信用しないので、スルー。
俺より先に死なないでくれって言われても、人生どうなるかわからないし。


男として自分のことが好きかって聞かれたときは、「仕事ができるならね☆」とニッコリ返してあげた。
仕事のできない男は男とは認めない。人としては尊重しても、男としての発言とは認めない。これ、最近の基本事項。
女は10ヶ月も体に宿る子供を産んだり、そもそも生理になったりするから大変なのに、稼げない男なんて価値が無い。それでどうこう言われたって、最低です。(キッパリ)
というわけで、結婚前提用男選びの最低基準その1。


ベッドでくっつきながらおしゃべりするのも、ドライヤーで髪を乾かしてくれるのも、くだらないことでも笑い合えるのも、好きなんだけど。どうしようもなく、あたしが自然でいられて、無理していなくて、充電されるんだけど。
愛すべきところはいっぱいいっぱいあっても、どうしようもないことってある。たとえ、良くも悪くも笑っちゃうほどわかりあっても。
お互いがお互いだけを必要とするほど、愛し合ってなんていない。はっきりしていること。だから、死ぬ前に何度会ったって、別れていく。
もはや、彼はあたしの充電器じゃなくなった。彼がいなくたって、あたしはしっかり楽しく生きていけるもの。


もういちいち考えるのをやめようかな。ボーイフレンドが何人いてもいい気がしてきた。
改めてプロポーズしてきたチャペル君は、もちろん断ったけど。


充電しつつ、見据えなければならないのは、あたしという器の大成。
仕事に勉強。友情に愛情。


それにしても、金魚花火が切ない。
久しぶりに前彼に抱きしめられてるのに、高校生のことをぼんやり思っていたあたし。