大阪に行かずに。
朝10時起きで、マドレーヌとクッキーを焼いた。
クッキーに自家製ラムレーズンを入れたせいで、普通の時間焼いただけでも焦げちゃうのね。2回目は温度を低くして、時間も短くしてみた。
マドレーヌは上出来。
シンヤくんに渡すMDの曲名を書いたりしつつ、お菓子をすべて焼く。ピンクのガウンにエプロンをして。
王子様が疲れてたみたいだったから、電話してみた。眠ってたのを起こしちゃった。バタバタしててせっかく頭から離れていってたのに、大阪のことを言われて、ちょっと考え込む。もう行かないって決めたのに。グラグラするんじゃないよーあたし。あれはあれだったのよ。
それにしても、王子様は相変わらずの憎まれ口。お菓子、よっぽど気が向かなかったら作っていかないんだからーなんて思いつつ。
シンヤくんにあげるMDの曲名を書いたり、お風呂で音楽を聴きながら体を伸ばしてまったりしたり、出掛ける服を選んだりしてたけど、Aさんが迎えに来ないから、事故でもあったかしらと心配になった。
メールしたら直後に電話が来て、すぐ来てくれるとのこと。九州へのお菓子をラッピングしたり、一緒に入れる手紙を書いたり大忙し。
ようやっと荷物を詰めて出発。Aさんがすぐ近くで発見してくれたんだけど、Tの住所を忘れちゃって、郵便局は断念。川口へ向かう。
車の中があったかかったのと、昨日の夜は5時くらいまでGと電話をしてたのもあって、音楽を聴きながら眠ってた。途中渋滞と工事に巻き込まれてたらしく、目が覚めると17時半。埼玉に入るところだった。
急いで車を駐車場に止めて、会場へ。既に3つ目のステージが始まってて、メンデルスゾーンが聴こえてきた。
曲の合間に入れてもらう。やっぱり合唱はいい。ハーモニーが贅沢。祝福を受けているよう。大阪に行かないこともまたそれで許されてるような。それでいいよ、って言われてるような。来て良かったと思った。アンコール曲も楽しんだ。
最後にGMが出てきて何か振ろうとするから、何をやるんだ？と思ってたら、サークルで練習の終わりに必ず歌う歌が始まって、あたしの中で懐かしさが一気に広がった。イチョウの並木道、安田講堂に続く道。いろんなことを思い出した。
舞台が次第に暗くなっていって終了。儚さも感じた。
終わってから、そのサークルで仲良しだったMちゃんを待ってた。会って、お菓子を渡してたら、電話。
お父さんからで、「お母さんが指切った。病院に連れて行くからすぐ帰って来なさい。どこにいるんだ。」って。相当テンパってたから、大変な事態だとわかって、即行帰ることに。一瞬ディスポーザーで指が飛んだんじゃないかっていう考えが頭をよぎって、お母さんをどう慰めていいかとか、お母さんの手が今までのようじゃなくなっちゃうっていうことにすごくショックを受けたり大変だった。こうしてあげとけばよかったとか、いろいろ考えだしちゃって。
Aさんが高速を使って、20時までには病院に送り届けてくれた。感謝。
途中、指を何で切ったのかさえ教えてくれない父親にあたしが怒り出したのも聞いてくれたし、なんか気持ちが昂ってたのもあって、家族のことを延々としゃべっちゃった。話してて涙が出てくる始末。Aさんはちゃんと聞いててくれた。
病院に着いて、守衛さんに急患の場所を聞いて駆けつける。
両親が待ってる姿を見つけて話したら、スライサーで切ったってことで、指が飛んだわけじゃなかったことにまず一安心。安心したらまた腹が立ってきて、抗議。また涙が出てきちゃった。
お母さんは麻酔を2本打って、7針縫って、今日はおしまい。
右手の親指だから、何もできなくて、あたしが付きっきり生活になりそう。
帰りに東京プリンスでご飯を食べた。おいしかった。
CDを返して、CDとビデオを借りてきた。ビデオは「海の上のピアニスト」。明日お母さんの気晴らしに観てもらうの。
帰りにぐてぃーの家の横を通った。車だったから一瞬だったけど、ちょっと思い出した。
結局大阪に行かなくて良かったってことだけど。もしお父さんから電話が来たときに大阪だったり、新幹線の中だったりしたら、それこそ別の問題が持ち上がって大事だったもの。
しばらくお母さんに仕えて暮らすことになりそう。王子様と会う時間が無くなっちゃうわ。この際、親孝行をたっぷりしようとは思っているけど。
さっき大阪のTちゃんと電話で話してたら、実は彼も今日指を切って病院に行っててライブに行けなかったんだって聞いて、びっくりした。彼は左手の中指だって。
お互いこれから不自由をどうするかとか、消毒がどうとか、止血がどうとか、普通ありえないような会話になっちゃった。
これで済んだからまだ良かっただろうってことで。あと、お主婦もお母さんのお世話も、するのは花嫁修業になるから、いつか役に立つだろうってことで収まった。
なんだか疲れたわ。王子様はスタジオみたいだし、邪魔しないでゆっくり眠ろうと思う。
