春の夜のように。

朝ミルの目が片目開かなくて、処置をしてから学校へ。ちょっと遅刻。お昼に帰宅。爆睡して5限行けず。O木に悪いことしちゃったわ。


目がちゃんと覚めたのが18時前。お昼にりんちゃんからメールが来て、5限があるからライブ自体間に合わないかもしれないと思っていたけれど、家にいたから「間に合うかも。」とメールして、りんちゃんと連絡取ってから渋谷へ。
もう始まっちゃってるかと思ったけど、間に合った。ボッチボールを飲みつつ盛り上がる。


初めてちゃんとりんちゃんを見ていた気がする。いつも中野さんとかやまだくんばかり見ていて。照れて見られないのか、見ないのよね。
ステージ上のりんちゃんがこっちを見て、そのたびにあの笑いをする。去年初めて会ったときと同じように。イタズラをした後の笑いをこらえている顔。下を向いて笑いながらベースを弾いてた。時が止まる。


寝なくても、繋がってるんだなって思った。何度もそう思った。
「りんちゃんを通した俊ちゃん」や、「俊ちゃんを通したりんちゃん」ではなく、りんちゃんとあたしはりんちゃんとあたしで、繋がっているんだと感じた。何も挟みはしない。二人の距離感。独自のルートがあるみたいに。一言で言えば「共犯者」っていう感じか。お互いに面白がっていて。楽しい。


「好き」っていうのは簡単。言葉じゃなくて、違う何かが無きゃって思った。
彼はこうやってバンドを頑張って、東京に来る。あたしも頑張らなきゃって。かわいくなることも、賢くなることも、素敵な女の子になることもしていかなきゃなって思った。
言葉で言う「好き」は一瞬。1秒もかからない。でも、それを形で、言葉にならない物も含めて伝えていくには、やっぱり努力と行動力が必要。そんなことを思った。


向日葵は天気さえ良ければ、太陽の方をずっと向いて咲く生き物。真っ直ぐいけなかった自分を思うと、痛い歌。紆余曲折って、曲折しすぎなくらい。
りんちゃんに近づきたくて、遠ざかって諦めてしまいたくて。俊ちゃんの向こうにりんちゃんを見ていたこともあった。俊ちゃんがりんちゃんに似ているから惹かれたところもあった。俊ちゃんとの始まりは、りんちゃん無しには無かっただろう。


もちろん俊ちゃん自身にも惹かれたけれど、そうやって付き合いだして、付き合っていくうちに俊ちゃんを愛して、直感的にこの人の子供なら欲しいと思って。混ざり合ってしまいたかった。
それでも、りんちゃんにはりんちゃんの魅力があって、惹かれ続けるのは変わらなかった。二人とも大好きで。それぞれすごく魅力があって。


いろんなことがあったけれど、「前に進むときには人に頼らない。怖がらずに進めばいいよ。」ってりんちゃんに言われて、気持ちがスーッと楽になった。誰かをそばに置かなきゃってバタバタすることも止めようと思った。そう、一人で静かに進めばいい。


塾に行ってからツタヤでALICIA KEYSの「UNPLUGGED」を試聴したら、ものすごく染みてきて。響いてきた。音は勿論良いんだけれど、ピアノと、特に「If I ain't got you」の前の彼女の曲紹介が素敵で。心が温まった。
生きてたらこういう音楽が聴けるんだって思って、聴きながら電車で帰った。


渋谷で塾から出たときは外が寒かったのに、なんだか満たされているような穏やかで幸せな気分になっていて、まるで春の夜のようだと思った。